スタッフ失敗の記録
こどラボ久が原のけんいちです😎
今回は私自身の失敗の記録ということで、ある日のプログラムをふりかえっていこうと思います。
こどもたちの発達によりそう中で、特にこども本人が苦しむことが多いと感じていることがあり、その一つが完璧主義という考え方です。
物事の結果や人との関係性といった事柄の、バリエーションとして受け入れられる選択肢が1つか2つ程度と少ない場合、それは白黒思考や完璧主義となって表れます。
勝つか負けるか、すごく楽しいかつまらないか、興味があるかないか、好きか嫌いか、味方か敵か、などなど。
しかし、実際はゼロか100かの間に、グラデーションのように気持ちや人・物に対する関係性が存在します。
負けたけど、途中まではよかったとか。すごく楽しいわけではないけど、やりたくないわけでもないとか。関係性で言えば、仲がいいわけではないけど挨拶はお互いする間柄とか。そのようなあいまいな感情や距離感も日常には溢れています。
このバリエーションを増やすのに必要なことは、何より心の安心や安定です。
たとえば何かに失敗して、叱られたとすれば、その失敗はいけないことなんだ、ぼくはだめなんだと感じ、完璧主義をより強化する結果になります。
であれば、失敗した結果に着目せず、挑戦の動機や過程をほめることで、視点が変わり、視野がひろがり、したがって考え方の選択肢も増えていくことになるのではないでしょうか。
失敗しても大丈夫という安心感を持ってほしいという願いをこめて
今回はスタッフの失敗の記録を残します。
(盛大な前振りでした…笑)
この日は「分類学者」というプログラムを担当しました。
絵カードを使って、たとえば果物のなかまと野菜のなかまにわけよう!という内容です。
絵カードはトランプより小さい大きさのものを用意。スティックのりで1枚ずつ台紙に貼り付けて分類していきました。
こののりづけ作業について、
のりづけは紙全体をまんべんなく塗りたい、そうでなくても四辺をていねいにぬりたいというおこさんもいるだろうと思い、説明では「スタンプのようにスティックのりをポンとのせてね」と伝えたのですが、
伝えたからと言ってそれを受け入れられるかどうかはこども次第。
思ったより多くのお子さんがていねいに塗りたいという思いが強く、貼り付け作業にたくさんの時間を要することになったのです。
工作のときはそれでいいのですが、今回は分類が目的だったので、ねらいとは異なる結果に。
きっと、工作のときに「ていねいに塗ろうね」と先生から言われたり、ていねいにぬることでほめられたりした経験もあって、そのときと同じようにしたいだけなのだろうと思いました。
構成としては、こどもたちが見通しをもって参加できるように、お題をいくつか用意し、段階的な内容にしていました。
最初のお題は練習問題として個人でのりづけ作業をする、
やることがわかった2回目からはスタッフがのりづけしたものをこどもに順番に手渡しし、何の仲間かグルーピングをする、
という流れだったのですが、1回目でプログラムの時間はほぼ使い切ってしまいました。
そして追い打ちをかける失敗の指示が、「のりづけが終わった人は待っている間に、絵カードの下に絵の名前を書いてね」です。
一度絵カードの名前を書き始めたら、たとえみんなののりづけ作業が終わっても、すべての名前を書き終えるまで次の行動に切り替えることが難しく、これは2回目の分類の際にも尾を引き、1回目は絵カードの名前を書いたのに2回目は書かなくていい、というようなことは受け入れることが難しく、より時間を要する結果になりました。
また、お子さんによっては簡単すぎたのか、「つまらない」と参加が難しい子も。
予めお子さんの興味のあるもので特別メニューを作っておくことも考えましたが、今回は絵カードの難易度によって参加の調整を図り、部分参加を促し、最終的には参加することができました。
それでも、がんばって参加したとて「やっぱりつまらなかった」と、おこさんのニーズにはそぐわない内容だったのだと反省。
しかし、この日のプログラムを楽しみにし来てくれたおこさんもいましたし、参加した際の様子も楽しそうに積極的に参加していました。
それでも、楽しいと感じることは人によって異なり、みんなが参加できるものを考えることはとても難しいことです。私自身、おちこむことも多いです。しかしそれを考えることがスタッフの大切な役割の一つだと考えています。
今回のプログラムの様子を通してこどもたちのことを知り、もっとがんばらないと!と思った一日となりました。
毎日が勉強ですね😎